階段の家
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【コンセプト】
閑静な住宅街の一角に夫婦2人・子3人の5人の住まいを計画。
建築地が沿岸付近であるため、高潮等の災害を想定し、被害を最小限に留めるために高基礎を採用、キッチンや風呂などの設備を上階に設置した。
日常生活に必要不可欠な水回りを上階に設けることは上下階の移動が必然的に多くなり、階段が重要な要素となる。
一般的な作り方をしてしまえば、上下の移動の為だけの階段となり、むやみに階段の面積によって室内が圧迫される。そこで、下階の玄関から、各居室、LDK、最上階の水回りを綿密に階層分けをし、スキップフロア的に連続して配置する。
上下階で分けられた空間ではなく、最下層から、最上層まで階段のように層が連続した構成とし、上下に繋がりのある伸びやかな空間とした。
【アプローチ】
毎日通るアプローチには必要以上の段差を設けず、ストレスなく出入りできる計画とした。
【エントランス】
階段の隙間から柔らかい光が落ちてくる。
右手の壁に同化した建具を開けるとシューズクローク、勝手口に通じている。
【シューズクローク】
勝手口からシューズクロークを抜けエントランスに行けるようになっている。
家族用の玄関として機能しているため、エントランスは常に綺麗な状態が保たれている。
【踊り場】
踊り場は畳敷きとし、床に座って本を読んだり、作業をしたり、くつろいだりと多目的に使える空間とした。
【階段の家】
建物の中心に配置された階段と吹抜によって各層を緩やかに繋いでいる。
最下層はエントランス、シューズクローク、寝室
二層目は子供部屋
三層目はLDK
四層目は水回り、収納
といった構成になっている。
【ダイニング】
北側の窓からは安定した優しい光が食卓を照らしてくれる。
三層目、地面から高い位置にLDKを配置しているため、周辺の建物の影響を受けることなく窓を計画できる。
遠くの山を借景としている。
【キッチンと飾り棚】
キッチン背面の収納を造作にすることで、空間と人、家電や食器等にフィットさせている。
また、ダイニングと横並びのキッチンは動線が短くなり、作業しやすい設計とした。
キッチンの奥には食品庫を設けており、使いやすさと収納力を兼ね備えたキッチンとしている。
壁の一部を彫り込まれた様に設えた飾り棚は上部に窓が仕込まれていて自然光で優しく照らされている。
【リビング】
階段と吹抜は上下階を繋ぐだけでなく、リビングに広がりをもたらす。