Vol.13 職人育成は重大な使命

 

技術の伝承なくして将来を見据えた家づくりはできない。

難波社長が職人の育成に懸ける思いを語ります。

 

 

[青字]インタビュアー [黒字]難波社長

 

 

一番コストがかかる部分ですよね、職人は

 

そうです。人件費をかけてやりゃいいんですよ。工場にかける必要はない。工場でやるゆうことは、工場で電気を使う。それは僕らがやっても電気は使いますけれどもそんな大きなものは使わないじゃないですか。その時のロスがある。運送がある。油焚いてトラック走らせて、運送コストがかかりますよね。すべてそうゆうものがいらなくなるんです。で、一次素材のものを、純粋に水を入れたり切ったり削ったりだけの加工で済むわけですから、そこには制作上に何らCO2じゃなんじゃの環境を汚すものは使わない訳じゃないですか。それでいて長くもつサイクルの家ができるんなら、このぐらい素晴らしいことはない。

 

そうすると、全体がそこに動けば、環境問題も解決できるということですよね

 

私はできると思います、建築に関してはね。だけどすべて世の中の仕組みが今そうでしょ。大量に作って、大量に売る、そこでマージンを得る。利益率、売上高。そればっかり効率追求で、こんな今の動きになってるわけですから。じゃなしに、もう円熟を迎えたんだから、日本は。これ以上はもう無理ですもん。なら振り返ってみて、いままでの悪かったものをわきまえて、もう少しゆったりしたサイクルでものを作ったり、ものの良し悪しをそうゆうサイクルの目で、ものづくりを見なさいよと。なら、どのものづくりが良いのか、ゆうのがわかってくると思うんですけどもね。要は安いもの作って、安いもの買って銭失いゆうんと同じ現状ですよ。が、ドイツなんか家づくり云々で100年200年たつのはざらですもん。ドイツなんか100年ローンでしょ。そうならんと嘘なんです。そうすると、職人はそこできちっと腕が発揮できるし。

 

その方向に環境は整いつつあるということですね。今までの家づくりの作っては壊しというのをみとめて

 

転換期ですから、まだどういう試合展開になるかはわかりませんから、私も今動いてないですけれども。絶対にいるのは職人の技術なんです。この伝承なくして建物はつくれない。今言ったような家づくりには、職人の技術ゆうのは不可欠ですから。そうゆう動きがいつくるかということであって。まだ今ではない。だけどその時が来たときのための備えとして、技術というものを決して忘れちゃいかんし、できなくなっちゃいかん。できるようにしとくと。工務店のアドバイスみたいなもんだ。

 

業界として大工さんを養成する学校とかいうのもバブルの時にできたりとか、そうゆう動きはありましたよね

 

ありましたね。だけど、要はいずれにしろ、みな個々の努力なんですね。だから同じ目的意識を持って、個々の意識が高揚して、その立場、職人の立場だったら、立場として、「僕らはもっともっと技術を磨かにゃおえんのだ」という自覚をさす教育が、本当の教育でしょうね。で、日々仕事を通じてもうひとつ自分の技術の習得ゆうのがあるわけですから。そうゆう仕事を、私の場合は与えてやる、それが仕事ですね。もう一歩ステップアップした仕事を要求してやる。で、きたるべき時に備えておくという発想でしょうかね。